(第七話 癒す!)
伝手を頼り遊興娯楽の宿場街「癒しの里」に落ち延びたカンベエ一行。そこにはサムライ・シチロージがいた。カンベエの副官として数々の戦場を渡り歩いたこの男も、大戦後はサムライを辞め、料亭「蛍屋」の女将ユキノと情を交わしながら、お座敷で太鼓持ちの生活に甘んじていた。そこに現れるカンベエ。シチロージとユキノ、ふたりは何気ない日々の幸せに終わりが来たことを察する。静かなるふたりの蜜月、それは夏の夜の蛍の如く。
(第八話 怒る!)
槍の使い手・シチロージを加え、アヤマロの手の届かない禁足地へと侵入する一行。そこは、入ったものは生きては帰れないという式杜人の洞穴。緊張した面持ちで水路を進むと、墜落した戦艦の残骸が未だその炉心を輝かせ、その周りに全身を仮面で覆った式杜人と、彼らの労働力として連れてこられた農民たちの集落があった。そこで出会ったホノカという農民の娘。村を焼かれ家族を野伏せりに殺されたという彼女の瞳は翳りに満ち…。