僕は、この普通で平和な日々がいつまでもつづくと思っていた。
───その日その出来事に遭遇するまでは。
あの子と喧嘩してしまったけれど、すぐに謝ればいいやと思っていた。
───夕方の空が突然裂け、赤く巨大な竜が現れ彼女を連れ去ってしまうまでは。
そして、気がつくと、そこは奇妙な図書館だった。
最初、事情がまったく飲み込めていなかった僕だが、やがてそこが「世界のすべてを収めている図書館」だと知る。
元の───彼女のいる───世界へ戻ろうとしたが、僕のいた世界=本は壊れかけて戻れない。
僕は、自分の世界を守るため、彼女を救い出すため、本を直す旅に出る───