飛賊とは――。
市井の人は知らず、史書にもその名は明らかにされていないが、彼らは確かに存在する。
まことしやかに、闇に生きる者の口から口へと伝えられていく風聞でのみ知られる、恐るべき暗殺者たち。
――それが飛賊だった。
その飛賊には、4つの門派がある。
いわく、“東邪門(とうじゃもん)”。
いわく、“西毒門(せいどくもん)”。
いわく、“南帝門(なんていもん)”。
いわく、“北丐門(ほくかいもん)”。
飛賊ではこれら4つの門派を統べる頭領を王と呼び習わし、4人の王を四天王と称する。
代々の四天王たちは、話し合いによってこの恐るべき一族の行く末を定めてきた。何らかの理由で王の座が空くことがあれば、同じ門派の中でもっとも実力のある者があらたな王に選ばれることになる。
“西毒門”の先代の王が病没した時、自分より年嵩の男たちをあっさりと追い越して、龍はあらたな王となった。隠れ里の子供たちの前でおだやかに笑うこの男に、誰ひとりかなう者がいなかったからである。
そして笑龍は、この男がめとった2番目の妻が産んだ子だった。
再看出招表,SNK太有才了:D