宮崎駿監督の新作アニメ「ハウルの動く城」(11月20日東宝系公開)が、第61回ベネチア国際映画祭のプレス試写会場で世界初上映された。「千と千尋の神隠し」が米アカデミー賞でオスカーを獲得するなど海外でも宮崎アニメの知名度は高く、会場は超満員。製作開始から2年。「老い」や「平和の尊さ」などを宮崎流のメッセージを込めて描いたこん身の一作が、ようやくベールを脱いだ。
約1300席の会場は、世界から集まった記者たちでぎゅうぎゅう詰めの超満員。1時間前から行列ができ始め、映像流出を防ぐために全員に入念なカメラチェックが行われた。
万が一の盗難や内容についての情報漏れを防ぐため、関係者が重いフィルムを郵送ではなく日本から手に持って運び込むなど、徹底的にガードされてきた注目の新作。定刻午後7時15分を回ると、「早く始めて」と言わんばかりに口笛と拍手で催促の合図。やがて、霧と雲間から不気味さを漂わせる巨大な動く城が姿を現した。場内は静まり返った。
映画の舞台は19世紀末のヨーロッパ。イギリスの児童文学を原作に魔女(美輪明宏)ののろいで90歳の老婆にさせられた18歳の少女ソフィー(倍賞千恵子)と、天才的な魔法使いで自分の魔術を命がけで「くだらない戦争」の抵抗に費やすハウル(木村拓哉)の時空を超えたラブストーリーだ。
客席は激しい空襲や焼け野原の景色にかたずをのんで見入る一方で、ハウルに魔力を与えるかわいらしい火の悪魔カルシファーが話すシーンなどいたるところで笑いも起きた。エンドロールでは満場の拍手が続いた。
製作したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「日本より先に海外でやるのは精神的にやっぱりよくないですね」と苦笑まじりに落ち着かない様子。一方でフランスやロンドンのジャーナリストは「グレート。ハイストーリー」と興奮ぎみに答え、コンペ部門での正式上映を前に早くも称賛の声が上がっていた。
◇鈴木プロデューサー「不安吹き飛んだ」金獅子取る!
5日夜の公式上映を前に、同日正午から鈴木プロデューサーが公式会見に臨んだ。鈴木氏は海外プレス約50人を前に「動くライオンは飼えない。動かないライオン(金獅子賞)ならいただきたい。それを謙虚に待ちたい」と初めて賞取りに意欲をみせた。
前日のプレス試写の反応には「もっと空席があると想像していた。日本人の作ったヨーロッパの話。どこまで理解してもらえるか期待と不安があった。うれしかった」と振り返った。作品のテーマについては「戦争だけがテーマではない。これまでなかった高齢者向けのアニメを作りたかった」と語った。
台湾の記者からはキムタク起用の理由と声優ぶりを聞く質問も。「彼がハウルで何かやりたいと聞き、渡りに舟だった。演技には監督も大きな満足を持っている」
宮崎監督とは早くも次回作の構想を練っており、今作とは対照的に「幼児向けのものを私も提案しており、話し合っている」とした。
「ハウル―」は午後5時からメーン会場のサラ・グランデで日本アニメ初のコンペ作品として公式上映された。各賞の発表は最終日の11日。
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已经上映了啊?似乎反响还不错呢。