プロジェクト・オーバーロード 開発機体
●NT専用高速戦闘型試作MS ガンダムWECT(ウェクト)
○SPEC
型式番号 NRX-005Cu(本来はORX-005)
頭頂高 17.86m
全高 18.55m
本体重量 12.90t
全備重量 18.17t
機関 ミノフスキー、フォトン対消滅型リアクター×2、時空移相炉「フェイズシフト・リアクター」×1
ジェネレーター総出力 198750Kw
スラスター総推力 計測不能
センサー有効半径 128600m
装甲 ガンダリウム合金、ヴァリアブルハイメタルコンポジット複合材
乗員 3名
武装 フォトンバルカン×2
ビームサーベル(メガビームブレード)×2
ウィング・ビット ×6
拡散粒子砲×1
シールド・ビット×2
本来の呼称は、「Sacred-G」(セイクリッド・ジー 厳粛なるG)
プロジェクト「オーバーロード」の遺産、その5号機。
そして、時空移相炉「フェイズシフト・リアクター」を使った2番目の機体でもある。
ミノフスキー粒子対消滅型加速器「カウンターバニッシュ・ブースター」と、時空移相機関「フェイズシフト・モーター」を搭載した羽根状の推進器「ウィング・ドライバー」のテスト機だったが、 エネルギー効率の悪さにテストタイプの段階で廃棄されていた。
「オーバーロード」の責任者であるサイナ・キサラギ博士の曾孫、ハリュウ・キサラギ博士によって密かに残骸から再生されていた。
その際に、当時よりも進歩した技術力と、ハリュウ博士なりのアイディアが生かされ、現在の形に至る。
「Wect」とは、Wingdriver・Equipment・Custam・Type(ウィング・ドライバー装備型カスタム機)の略である。
それと同時に、Wake・up・Euphoria・Calling・Talent(目覚めし幸福を呼ぶ能力)という意味も含む。
しかし、ウィング・ドライバーの圧倒的なエネルギー効率の悪さは改善されていない。
最大、コンマ05秒で光速の6%までの加速が可能なウィング・ドライバーだが、それは莫大なエネルギーを生み出すフェイズシフト・リアクターの発生させる電力を、瞬く間に喰らい尽くす。
最大加速時で、13秒。それを過ぎれば、機体の緊急停止を招くことになる。
その際に機体及びパイロットに掛かる莫大な加速Gは、機体各部からウィングドライバーを繋ぐフェイズシフトモーターによって機体後方の空間に逃がされ、更に機体の推進力と化す。
これによって、普通なら機体とパイロットにかかるGを限りなく0に近い状態までうち消す。
しかし、Gはうち消しても、普通の人間に「光速の6%」という状態は認識出来ない。
従って、この能力をフルに活用するには、感覚が極限まで研ぎ澄まされた人間・・・すでに使われなくなって久しい言葉だが、「ニュータイプ」という者でなければならない。
それでも、そのニュータイプですら対応しきれないであろう各種状況のために、この世で最も早く柔軟に動くコンピューター、つまりは人の脳を使った「Hu-Com-Sys」(ヒューコムシス 人体脳応用型コンピューターシステム)を、頭部と腰部に装備している。
人の脳、とは言ったものの、何も脳を取り出して使っているわけではない。一部人体改造した人間を、脳間電流などを用いてコネクトしているのだ。
このシステムにより、ハード面、ソフト面ともに反応速度が飛躍的に上昇している。
頭部のHCSαは情報、火器管制。腰部のHCSβは、機動、制御管制を行っている。
パイロットとHCSに搭乗する者は、脳間電流によりほとんどタイムラグ無しで思考をリンクされ、これで初めてWECTは1体の機動兵器として完成する。
尚、本来はトリコロールカラーで塗装される予定であったWECTだが、本塗装前の起動となったため、下地のビームコーティング剤混合塗装のみの配色となっている。