「今終わる。長い、長い旅が。」
遠い昔の夢を見ている
また同じ毎日の繰り返し
終わりの無い夢の中で来るはずの無い朝を望んで
そして
同じ夢の中に還ってくる
赤くて
白くて
冷たくて
暖かくて
悲しくて
嬉しくて
そして
そして同じ毎日が繰り返されていく
ずっと前から何年も前から気づいていた
終わらない夢の中に漂いながら
来るはずの無い夜明けを望みながら、ずっと同じ場所にいる
声の消えた雑踏
顔の無い人が目の前を行き交う
誰もたったひとりの子供なんか気にも留めない
人を待っている
来ないとわかっている人を
もう会えないとわかっている人を
何年も何年も
繰り返される夢の中で私はずと待っていた
来るはずの無い夜明け