『翠星のガルガンティア』移民船「アヴァロン」の設定イラスト公開!
小倉
そうですね。アヴァロンというレドたちの世界の中で理想とされている移民船があるんだけど、「それはどういうふうなものだろう」って監督から質問があって、「だったらこういうもんじゃないか」っていうのをカラーイラストで出して、平澤さん含めてみんなびっくりしたと。
平澤
今までああいう形のスペースコロニーって見たこと無いんです。大体筒状のものがクルクル回ってるっていうのが一般的なんですけど、アヴァロンは、全然別の設定になっていますからね。
石川
遠心力によって重力を発生させてる?
小倉
そこは同じなんですよ。
平澤
ところが別物で。
石川
確かに見た時に、形がすごい新しいなと思いました。
小倉
色がカラフルだったでしょ。あれは真上に向かって飛んでいるって構図で見ていただければ正しいです。どんどんスピードが速くなるとちっちゃいモノでも当たると痛いわけですよ。これが宇宙で光に近いスピードで進んでいくと痛いどころで済まなくて大変なことになる。そういうものを全部よけるためのバリアーみたいなものが、まず真上のところに傘のようにある。そのエネルギー源は何かっていうと、真ん中に黒い怪しいものがあって、その周りに赤い……赤いものっていうのは、その黒いところに渦を描いて落ちている水素の円盤、“降着円盤”って言うんだけど、そこをグルグル回っていって落ちていくとエネルギーに変換されて放出するんです。ブラックホールを使ってエネルギーを採り出す理論があって、ほんとにブラックホールを作るのは大変だから、ブラックホールに近いものに物を落とすと、落とした質量の分、両極方向へ垂直に電気やプラズマとかいろんなエネルギーをバッと出す“宇宙ジェット”というのがあって、それを進行方向側ではエネルギーをバリアーみたいなものを張るのに使い、もう一方は推進エネルギーに使う。この中心にあるのがブラックホールみたいに重いものだから、この重いものを中心に居住区とか色々な施設が軌道を描くように配置されてて全体として“宇宙船”を構成している。 …宇宙物理のスティーヴン・ホーキング博士とか知ってる?
平澤
理論物理学者として有名な人ですね。
小倉
そういう人たちの本とか論文を読んで想像を発展させるんですよ。
石川
すごい。
小倉
界人くんが生まれる前から、宇宙のSFを描いている作家って海外に沢山いらっしゃって、アイデアとかをいっぱい発表していたりするんです。「そういえばそんな考えもあったよな」って記憶を頼りに、自分なりにいろんなものを寄せ集めるようなやり方で、今までにない宇宙船みたいなものが作れるんじゃないかと思って、ビジュアルにして、それで監督に提案してみました。
http://gargantia.jp/#kaito_2