GDH、経営再建へアニメ作品絞り込み 制作ラインのリストラも
GDHがアニメ事業の大幅スリム化を発表。現在は年間8作品程度を制作しているが、今後は制作ラインを一部売却するなどし、社内制作は年間4作品程度に絞り込む。
2008年11月10日 17時52分 更新
GDHは11月10日、アニメ事業を大幅にスリム化すると発表した。今後は制作ラインを一部売却するなどし、確実に投資回収が見込める作品を厳選して社内制作を年間4作品程度に絞り込む。同日、2009年3月期の連結業績予想を下方修正し、最終赤字が前回予想の3億3900万円から5億8100万円に悪化する見通しだ。
同社はDVD販売の不振などから2期連続の最終赤字と債務超過に陥り、投資ファンドが資本参加して経営再建を進めている。「来期以降確実に収益を確保するため」として、アニメ事業のスリム化など、構造改革を断行する。
アニメ事業は企画・開発体制を見直す。現状は社内4スタジオと協力会社への外注で8作品程度を制作しているが、今期中に制作部門を1つに集約、社内では年間4作品程度を厳選して制作する。
既存制作ラインの設備と人員などの一部は、別会社への売却・転籍を検討する。「筋肉質な経営体質を実現するとともに、固定費の変動費化により、柔軟な外注制作対応も行えるようになる」としている。
「現在の高コスト体質を生じさせた経営責任を明確にする」として経営陣の役員報酬カットを継続するほか、拠点の統廃合を含めてコスト削減を徹底、社用車の売却や広告宣伝費の見直しなどを実施する。
経営の効率化に向けて子会社事業を見直し、100%子会社・ゴンゾと重複している間接業務の解消を図り、組織の統廃合を検討する。本業のアニメとオンラインゲームに集中するため、ファンド運営などの周辺事業の整理も検討する。
社名も「創業の原点に返り『GONZOブランド』をそのまま会社名として全社員の求心力を高めることも検討する」という。
下方修正は、構造改革に伴い新規タイトルを見直したことなどが響いた。