74.結界破る赤い鉄砕牙
百鬼蝙蝠(ひゃっきこうもり)の長・大獄丸(たいごくまる)は紫織が里心を起こさぬよう、母親の紫津を始末するため村に大挙襲来した。犬夜叉たちはこれを迎え撃つが、紫織の強力な結界に守られた大獄丸には爆流破でさえ歯が立たない。しかも大獄丸は実の息子である月夜丸(つくよまる)を殺したのも自分だと明かす。父親を大獄丸に殺されたと知った紫織は…。
紫織は百鬼蝙蝠の月夜丸と人間の紫津の間に生まれた半妖の娘。百鬼蝙蝠の長・大獄丸は強い結界を張る力を受け継いだ孫の紫織を母から奪い、手元に置き、結界の守り役を務めさせる。だが、紫織が里心を起こさぬよう、紫津との約束を破り村ごと母親の始末しようとした。
村に大挙襲来してきた百鬼蝙蝠の大群を犬夜叉たち一行は迎え撃つ。その中には紫織の張る結界に守られた大獄丸の姿もあった。犬夜叉は鉄砕牙で大獄丸に襲いかかるが、やはり結界に阻まれてしまう。悲惨な村の状況を目の当たりにした紫津は大獄丸に村を襲わぬよう説得を試みる。そこで大獄丸は村を守ろうとした実の息子・月夜丸も自分で殺したと明かした。
怒り心頭する犬夜叉に大獄丸は怪音波を発射。迫る怪音波を避けようともせず、犬夜叉は鉄砕牙を振りかぶると、敵の妖力を風の傷で巻き込んで逆流させる爆流破を繰り出した。だが、それでも紫織の結界を突き破ることはできない。安堵する大獄丸だが、大獄丸が父の仇と知った紫織は、妖力を開放して大獄丸を結界の外にはじき出す。紫織の思わぬ反撃を受けた大獄丸は怪音波を紫織めがけて発射する。そこで犬夜叉が放った渾身の爆流破がついに大獄丸を粉砕する。
元々、強い結界を張る妖怪を斬り、より強い鉄砕牙を作るためにこの地を訪れた犬夜叉だが、紫織を斬ることはできない。そのまま村を去ろうとした犬夜叉を紫織が呼び止めた。紫織は宝玉・血玉珊瑚(ちだまさんご)を取り出すと、この宝玉を斬ってほしいと頼む。血玉珊瑚は百鬼蝙蝠の結界の守り役に受け継がれてきた宝玉であり、代々の守り役の妖力を蓄えているという。すると突然、玉から邪気が発生し、中から大獄丸の怨念が現れ、紫織を地獄に引き込もうとする…。