リトル・トム LE PETIT POUCET
作曲:久石 譲
Composed by JOE HISAISHI
指揮:ロジェ・ブートリ
Conducted by ROGER BOUTRY
演奏:パリ・フィルハーモニー管弦楽団
Performed by the Paris Philharmonic Orchestra
(仏U.L.M. / 014 934-2)
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2001年製作のフランス製ファンタジー映画。監督はオリヴィエ・ダアン。出演はロマーヌ・ボーランジェ、カトリーヌ・ドヌーヴ、サミー・ナセリ、エロディ・ブーシェ、ピエール・ベリオー、ドミニク・ウラン、ニルス・ウーゴン、ラファエル・フュフ=ウィリグ、ウィリアム・トゥイル、ピエール=アウグスタン・クラン、テオデュル・カル=カサーニュ、アンナ・ベルトー、サイード・タグマウイ、クレマン・シボニー、カルロ・ブラント、アイザック・シャリー他。シャルル・ペローの原作“Le Petit Poucet”(英語題名は“Tom Thumb”/「親指トム」のタイトルで知られる有名な童話)を基にオリヴィエ・ダアンとアグネス・フュスティエ=ダアンが脚本を執筆。撮影はアレックス・ラマルク。
音楽は宮崎 駿監督や北野 武監督等とのコラボレーションで知られる久石 譲が担当している。主題歌の「La lune brille pour toi」をフランスの人気女優ヴァネッサ・パラディが歌っているが、どこかで聞いたことがあるような妙に親近感のあるメロディ。歌詞がフランス語で歌手もフランス人だが、音楽は完全な“久石節”になっている。続く「Le Petit Poucet (Main theme)」は同じ主題のオーケストラによるメインテーマだが、作曲が久石だと知っていて聴くせいか、やはり日本的な印象を受ける。「La foret de Rose」は久石自身のピアノによる幻想的なタッチ。「L'attaque des pillards」はダイナミックなアクションスコア。「Sur le chemin de cailloux blancs」「Perdus」等はこの作曲家らしい非常にドラマティックな音楽。「Aux loup!」はリズミックでパーカッシヴな舞踏音楽風のスコア。後半は「L'Ogre」「La foret rouge」「Entre l'Ogre et la falaise」「Le duel」と激しいアクションスコアが連続するが、ずっと同じような調子で続くのでやや単調に感じる。「Le messager de la Reine」はメインの主題にコーラスが加わり感動的に盛り上がる。演奏はパリ・フィルだが、オーケストレーションを日本人が手がけているせいか、久石が日本映画に書いたスコアと音の印象はあまり変わらない。
海外から映画音楽の作曲を依頼された日本人作曲家としては、「天地創造」の黛 敏郎や、「ライジング・サン」の武満 徹等が有名だが、今回の久石のスコアも大編成オーケストラをカラフルに鳴らしたなかなかの力作で、彼の実力がインターナショナルに通用することを見事に証明したと言える。
(2001年11月)
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应该是这个。。。。吧