注:1.某些不知名角色直接用“男”或“女”代替。2.一些拟声词没写出来。3.可能有些内容输入错误或漏掉的,还请大家多多指正。谢谢。
るろうに剣心 追憶編
第一幕「斬る男」
比古清十郎: 病んでいる……時代も 人の心も、日ごと 波乱へ向かうこの時代、強大な力を持ってはいても この流れを押しとどめる事などできはせん。
女1: お願い、この子だけは……
女2: 見ちゃ駄目!お姉ちゃん その子だけは……心太 心太 あんたはまだ小さいから 私達みたいに自分で生き方を選ぶ事はできないの、だから今死んじゃ駄目 あんたは生きて 生きて自分の人生を選んで 死んだ人達の分まで……心太 生きて……生きて……心太 私の分まで……
男: 誰だ 貴様!
比古清十郎: これから死ぬ奴に 名乗っても意味がねえな、通り合わせたのも 何かの縁 仇は討った 恨んでも悔んでも 死んだ人間はよみがえらん、己が生き延びれただけでも 良しと思う事だ、よくある事だ、立ち昇る血と白梅香の匂い 野盗に 犬のように 殺されるも地獄 売り飛ばされて 女郎になるのもまた地獄、そう よくある事だ、これまでも そしてこれからも、飛天御剣流の理に従って 刀を振るっても 結局誰一人救えない事もある 俺が確実にできる事といえば犠牲者の骸を葬ってやる事ぐらいか……ん?
親だけでなく 野盗どもの墓まで作ったのか。
心太: 親じゃなくて人買い 親は去年コロリで死んだ、でも 野盗だろうと人買いだろうと死ねばただの骸だから。
比古清十郎: その石は?
心太: 霞さん茜さん桜さん 会ってまだ一日だったけど 男の子は自分一人だったから命を捨てても守らなきゃって思ったんだ、でも みんな自分をかばって この子だけはって 自分が子供だったから……だからせめて墓くらいはといい石探したんだけど、こんなのしかなくて 添える花もないんだ。
比古清十郎: 美味い酒の味も知らんで 成するのは不幸だからな、俺からの手向けだ。
心太: ありがとう、あの……
比古清十郎: 俺は比古清十郎、剣を少々やる。
心太: 剣……
比古清十郎: 坊古 お前はかけがえのないものを守れなかっただけではなく、その三人の命をも託されたのだ、お前の小さきては その骸の重さを知っている、だが 託された命の重さは その比ではない お前はそれを背負ってしまった、自分を支え 人を守れる 強さを身につける事だ、お前が生き抜いていく為に 大切なものを守り抜く為に。
心太: 守り抜く為に……
比古清十郎: 坊古、名は?
心太: 心太。
比古清十郎: 優し過ぎて 剣客にはそぐわないな、お前は今から「剣心」と名乗れ。
心太: 剣……心。
比古清十郎: お前には俺の とっておきを くれてやる。
1864(元治元)年
清里: 遅くなりました、少し急ぎましょう。
男: 聞いたぞ、清里。
清里: あ?
男: 来月 祝言だそうだなあ。
清里: はあ。
男: あの幼なじみの器量よしをもらうか 果報者め。
清里: どうも でも悪い気もするんですよ、世の中がこんなに荒んでいる時に 自分だけ……
男: 何を言うか 世の中がどうあろうと 人一人が幸せになろうとするのか 悪いわけがなかろう。
清里: 来年の春には帰れると思う しばらくの辛抱だ、お互いにな、帰りに鬼灯を買おう。
剣心: 京都所司代 重倉十兵衛殿とお見受けする、これより 天誅をくわえる。
清里: 刺客か!
男1: たかが剣の振りで 世が動くと思うのか。
男2: 名乗れ!名乗らんか!
男: いかん、お前は今死んではいかん。
清里: 重倉さん……死ねない、死にたくない。
剣心: あきらめろ。
清里: そういかん!死ねない 今 死ぬわけにはいかない、死にかくない、÷ 死んでたまるか、死なん 絶対に!死 死にたくない 今は まだ……死にたくない と……も……
飯塚: 緋村 やられたのか。
剣心: 大事ありません。
飯塚: 緋村に傷を負わせる奴がいたとは この男かなりの腕か。
剣心: いえ、執念。
飯塚: え?
剣心: 飯塚さん、後の始末 よろしくお願いします。
飯塚: お……おい ん?
比古清十郎: さあ 打ち込んで来い、もっと速く……こいつは強くなる、たとえどんなに剣の才を持っていても……強くなりたいと思わなければ 磨かれる事はない、こいつは誰よりも 何よりも 強さを求めている、純粋に そう 馬鹿正直なまでに純粋にだ。
剣心: 飛天御剣流の理に曰く御剣の剣 即ち人の世の為に振るう剣たるべし、弱き人々を守る為に。
飯塚: 久しぶりだな。
桂小五郎:ほう お前に太刀を浴びせた者がいるか。
剣心: 不覚をとりました。
桂小五郎: 飯塚 相手は?
飯塚: 京都所司代 重倉十兵衛の従者です、名前までは……
桂小五郎: ふむ。
剣心: 何か。
桂小五郎: 実は今夜 内内の集まりがあってな、稔磨や宮部さんも出席する、今後の我が藩の方針を決定する大事な席だ。
剣心: 御衛ですか。
桂小五郎: いや、その席にお前も出てみたら どうかと思ってな。
飯塚: おう、すげえじゃねえか。
剣心: お断りします、自分は「人斬り」 それ以外に 役に立てる術を持ちません、他に用がなければ これで。
男: おい ちょと!
飯塚: 失礼します。
男: 何だ あの態度は、せっかく桂さんが気にかけて下さってるというのに。
桂小五郎: 奇兵隊?
高杉: おうよ こいつは とんでもねえ鉄砲玉になる 必ずな。こいつらはやるぜ 時に途方もない力を出す 最後に幕府を潰すのは こいつらよ。
桂小五郎:腑抜け侍どもよりは ましだが 大丈夫ですか。
高杉: ん、お前は気が小さくていけねえ。
男: 次!
桂小五郎: あんな子供までいるのか。
高杉: 奇兵の「奇」は 奇抜の「奇」ってな……どうだ いい塩梅だろう。
桂小五郎: 高杉。
高杉: 何だよ、鳩みたいに 眼を丸くじゃがって。
桂小五郎: あの少年。
高杉: ん?
桂小五郎: 京に欲しい。
比古清十郎: 山を降りる事は許さん。
剣心: 師匠、こうしている間にも大勢の人が動乱に巻き込まれて、死んでいるんですよ、今こそ この力を 御剣流を人々を守る為に使う時でしょう。
比古清十郎: この馬鹿弟子が!その動乱の世にお前が一人で出ていってどうする?この乱世を変えたくば いずれかの体制にくみするしか策はない、だが それは即ち 権利に利用されるという事だ、俺はそんな事の為に お前に 御剣流を教えたわけではない お前は外の事など気にせず 修行に励めばいい。
剣心: 目の前の人々が苦しんでいる 多くの人が悲しんでいる それを放っておくなど 俺にはできない。
比古清十郎: 飛天御剣流は 比類なき最強の流派、例えるなら すかの黒船。
剣心: だから その力を 今こそ使うべきでしょう、時代の苦難から人々を守る為に それが御剣流の。
比古清十郎: 剣は凶器!剣術は殺人術!どんなきれい事やお題目を口にしても それが真実、人を守る為に 人を斬る 人を生かす為に 人を殺す、それが剣術の真の理、俺はお前を助けた時のように 何百人もの悪党を斬り殺してきた、が 奴らもまだ人間、この荒んだ時代の中で 精一杯生きようとしていたにすぎん この山を一歩出れば 待っているのは各々の相容れない正義に突き動力された 飽く事のない殺し合いのみ、それに身を投じれば 御剣流はお前を 大量殺人者にしてしまうだろう。
剣心: それでも 俺はこの力で 苦しんでいる人々を 救いたいんです。一人でも多くの人を 多くの命を この手で守りたい その為に。師匠!
比古清十郎: お前のような馬鹿はもう知らん どこへでもさっさと行ってしまえ。
剣心: ありがとうございました。
比古清十郎: 俺の馬鹿弟子は馬鹿なりに自分の生き方を選んだという事だな、純粋なるが故に これもまた 避けては通れぬ道。
飯塚: 血が……出てるぜ。
女1: 今日は ほんに温いお日さんで。
女2: ほんになあ つい こないだ雪やったけどなあ。
斎藤: ん?
衝田: 斎藤さん どうしました?
斎藤: 血の臭いを嗅いだような気がした。
衝田: いやだなあ 斎藤さん 最近よっと斬り過ぎなんじゃないですか。
斎藤: 冲田君。
衝田: はい?
斎藤: 言葉というのは よく咀嚼し 吟味してから口にのせるようにな。
衝田: はい はい。
飯塚: 偉そうに 通りの真ん中で行きやがって……今夜頼むぞ、ん?いい匂いがするな。
剣心: 白梅香。
飯塚: 何だ 意に色っぼい匂いも知ってるんだな、あの女か いい女だなあ……じゃ 後でな。
女: いややわ さっき通りで 壬生の狼連中に出くわして、恐しくて 道開けてしまいましたわ 噂じゃ志士さん達を 問答無用でばっさばさと おう恐い。
比古清十郎: 春は夜桜 夏には星 秋に満月 冬には雪、それで充分酒は美味い、それでも不味いんなら それは自分自身の何かが病んでいる証だ、お前もいつか酒の味がわかるようになる、その時は美味い酒を酌み交わそう。
男1: あの女はやめとき。
男2: せやけどな 忘れられへんや。
飯塚: 最近 特に凄いな お前。
剣心: 何かです。
飯塚: 相手に悲鳴を上げる暇を与えない……おい まただ……こんな迷信を聞いた事がある、強い恨みをこめられた 刀傷 というのは その念が晴れない限り決して消える事はないと。
剣心: 限みのこもった刀傷。
飯塚: そうだ 消えないそうだぜ ずっと。
剣心: お姉ちゃん。
飯塚: まだ 洗ってんのか そういえば こないだの会合 大変だったらしいぜ。
剣心: どうしたんです。
飯塚: いやな、宮部さんと桂さんがやり合ったって話だ、どうも宮部さん達は この京でどえらい事をやらかすつもりらしい。
剣心: 桂さんは?
飯塚: 今はまだその時ではないってな、同席していた奴の話じゃ 宮部さんに斬りつけそうな勢いだったってな。
剣心:稳やかじゃありませんね。
飯塚: まったくなあ。
桂小五郎: 単刀直入に言おう 君は人を斬れるか きれい事言うつもりはない これは人殺しだ、だが 新たな世を作るには 古き物を打ち壊さねばならない、嫌な役回りだが 誰かがこれをやらねばならん、お前は自分の力を「人々を守る為に使いたい」と言った ならば その力 俺に貸して欲しい、新時代の為 君は人を斬れるか。
飯塚: おい お前。
剣心: え…と……
飯塚: 検分役の飯塚だ この仕事 初めてなんだろ 気をしっかり持てよ たまり正気を失ったり 物が食えなくなって倒れる奴がいるからな。
剣心: 大丈夫です 思ってたより平気でした。
飯塚: なら桔構 この仕事は 迅速 正確 確実がモット一でな 長居は無用 さっさとずらかるぜ。
剣心: 自分の污れた血刀と 犠牲になった命の向こう 誰もが安心して幕らせる 「新時代」があるんだったら 俺は……天に代わって……人を斬る。
高杉: どうだ あの小僧。
桂小五郎: 申し分ない。
高杉: 正直ごった煮の奇兵隊にとっちゃあ 虎の子だが お前の頼みならくれてやる だが 一つ条件がある。
桂小五郎: 何だ?
高杉: あの小僧の人生を台無しにするからには お前自身はきれいな身を貫くんだ 今後一切 決して 自分の刀を抜くんじゃねえぞ。
桂小五郎: 今の自分は 長州藩維新志士筆頭だ、元より その気はない。
高杉: 本当だな。
桂小五郎: 約束しよう 今日が剣客桂小五郎の命日だ。
高杉: それでこそ お前は幕末祭りの長州の御輿となれるってもんだ 雅楽は俺に任せろ。
桂小五郎: 頼む。
桂小五郎: 「身はたとひ 武藏の野辺に 朽ぬとも 留置まし大和魂」幕府は先生を圧殺した だが その尊き 理想は今も生きている 狂!敢えて狂う事も 厭わぬほどに極めた正義 それが今の長州派の……いや この俺の原動力だ!
高杉: 行って来い こいつは悪いようにはしないさ……朝寝してる暇なさそうだな。
飯塚: さすが 人斬り抜刀斎 あれだけ殺って返り血ひとつ浴びてねえとはねえ、帰りに酒でも飲んでかねか。
剣心: いや 俺は。
飯塚:そうか じゃ一人で 寂しく飲むとすっか、じゃあな。
桂小五郎: あれから一年 容姿が大人びたせいもあるが あいつの様子は変わった、だが 心の中は全く 以前のまま汚れ一つない。
男: では 安心ですね。
桂小五郎: いや ないままだからこそ 今の自分にひどい落差を感じ始めている 「人斬り」としての自分に。
剣心: 新選組か いや 俺と同様の影の刺客。
男: 今夜 私はこれで。
桂小五郎: ご苦労。
男: 宮部さん達 もう少し 押しとどめておきますので。
桂小五郎: 頼む それと新選組に気をつけろと念を押しておけ。
男: はっ。
女: 今夜はもう?お代わり頼みましょうか。
桂小五郎: いや いい どうも酒が不味い。
女: どないしはりましたの。
桂小五郎: もっての外だ 京に火を放つなど。
雪代巴: あなたは……本当に降らせるのですね、血の……雨を。