不过不懂日文就可以不汗了
想い
闘いの中で、振り向く事は無い。
狂気と殺戮が渦巻く中へ、独り、切り込んでゆく自分に喜びさえ感じている。
それが、今の自分の全てなのだ。
背後に、銀骨の放った大砲の硝煙の臭いと、全てを焼き尽くさんばかりの煉火を感じながら、肌を火照らせて進む自分がここにいる。
煉骨はそんな蛇骨を援護するかのように、砲を打ち、焼き払う...。
そんな煉骨を信じ、疑いを持った事は一度さえ無い。
いつの頃からだろう、煉骨の視線が自分に注がれている事に気付いたのは。
しかし、大して気に留めた事はない。
色事には、とんと疎い兄貴をかわす事など、蛇骨にとっては造作も無い...。
まるで気付いていないかの様に振る舞い、相手の様子を窺う。
そして、時折、心を弄ぶかのように、相手の体に触れては、突き放す。
そんな事を楽しむかのように、煉骨の肩に手を置いて話し出す。
「煉骨の兄貴、今日のお礼参りは、楽しかったよなぁ。これだけ人を殺るのは久し振りで、ゾクゾクしたぜー。」
「............。」
煉骨は、チラリと蛇骨の掛けた手に目をやると
「返り血を浴びた。流してきます。」
とだけ蛮骨に告げると、その手を振り払うようにしてその場を立ち去った。
「へへっ.......。」
蛇骨はそんな煉骨の背中を見送りながら、自分の中から湧いてくる欲望を感じる。
兄貴なんざ、カンタンに落としてやるさ。
心の中で、そう呟く。
城内に作られた浴室は広く、檜(ヒノキ)の強い薫りで、むせかえるようだ。
湯に体を沈めながら、これから起こるであろう犬夜叉達との闘いに思いを巡らす。
全てが終われば四魂のカケラも自分達の手に入る。
しかし、やみくもに信じる気は無い。
なにより、あの小娘から奪ったカケラも自分の手の中にあるのだ。
ふと、気付くと背後に人の気配がある。
ぎくりとして目をやると、それは湯船の中に、するりと体をすべり込ませてきた。
「一緒に入っても、かまわねえだろ。」
「........蛇骨。」
悪びれる様子もなくほつれた髪をかき上げる。
「何のつもりだ?」
熱くなる自分を否定するかのように立ち上がり、戸口にむかう。
「待てよっ。」
その手を蛇骨が引き留める。
「なっ?]
蛇骨は振り向くように、そして力を込めて煉骨の手を引くと
「オレとやりてぇんだろ。」
煉骨の肩に爪を立てると、胸元に口を近づけて囁く。
その途端、煉骨は、自分の中の一点が熱くなるのを感じていく...。
蛇骨は薄笑いを浮かべると、ゆっくりと煉骨の唇を舐め始める。
浴槽の中に沈み込むようにして煉骨の顔に手をあてて唇を割り、舌を押し入れる。
自分の中に、煉骨を手に入れたい衝動が沸き上がって来るのを感じる。
びちゃびちゃという、唾液をからめる音が浴室に響いていく。
「んんっ...。」煉骨は興奮する蛇骨の体を抱えると強く抱きしめる。
ずっと、見守ってきたあの体が、今、この手の中にある..。
くすっ.....。
蛇骨はそんな煉骨の様子を見て笑いをもらす。
途端に、蛇骨は首を捕まれ、湯の中に引きずり込まれる。
ゴボゴボッ。
高揚した気分がいきなり恐怖へと変わっていく。
しかし、首を放してもらえず、息が出来ずに、水ばかりを飲んでは恐怖に押さえ込まれてしまう。
「ごほっ。ごほっ。」
やっと煉骨の手から解放された蛇骨は咳き込みながら横目で煉骨を見据える。
「後悔するなよ。」
煉骨はそう言い放つと、蛇骨の両手を縄で縛ると、格子に縛り付けた。
両手を高く縛り付けられた蛇骨の体は、熱さで火照り、妖艶な美しさを放っている。
蛇骨刀を操る肩はよけいな脂質をまったく含まず、細い腰からはすらりと長い足が伸びる。
煉骨はそんな姿を目を細めて眺めると、両手の自由が利かない蛇骨の頭を抱えるようにして口づける。
「煉骨の兄貴っ。ほどいてくれよ。痛い。」
蛇骨のため息まじりの願いは聞き入れられない。
びちゃ。びちゃ。
徐々に脇腹に舌をずらして舐め上げていく。煉骨の指先が胸の突起に触れ、舌が這う。
「やだっ...。」
蛇骨は予想出来ない展開に動揺し、感じていく自分を止めることが出来ない。
「嫌だ、はないだろう。誘ったのはお前だ。」
「でもっ、こんなのは嫌だ。外してくれよ。」
「しばらく黙っていろ。じきに喘ぐぜ。」
煉骨の、有無を言わさぬ物言いにすくみながらも、その手が蕊に触れると、それは熱を持ち、赤く濡れた唇からは色めいた声が漏れる。
「ああっ、はっ...兄貴ぃ..。」
煉骨は、蛇骨のものを握り込んで、扱いていく...。
「どうした?陵辱されるのは初めてじゃないだろ。」
辱められても尚、いやらしい声を上げて女のように悶える自分が止められない。
「もっと、乱れちまえよ。」
冷たい瞳で射すくめられ、くちびるから、唾液が滴となってしたたり落ちる。
「あっ....もう、ダメ。」
そうして登りつめようとした蛇骨の蕊から煉骨はいきなり手を離す。
「くっ...。」
苦しそうに悶え打つ蛇骨を見ると、煉骨は愛しそうに目を細める。
「すぐイかれたんじゃ、つまらねえからな。楽しませてやるよ。」
そう言うと自分の中指を蛇骨の口の中に押し込んでかき回す。
「んんっ、な、何すんだよ」
そして、唾液で濡れたその指を、蛇骨の足を開かせると、その中心に押し込んでいく。
「いっ、やめっ。痛いーっ」
悲鳴を上げようとする蛇骨の口を片手でふさぎながら、もう片方の手は容赦なく奥へと滑り込ませて行く。
一度奥まで入った指はゆっくりと引き抜かれ、再び中へと押し込まれる。
ぐちゅ。ぐちゅ。
次第にぬるぬると滑りが良くなり、卑猥な音だけが規則正しく浴室に響き渡る。
「あっ、あっ、ん、やだっ。」
「くくっ。いい、の間違いだろ。」
楽しむように差し入れた指を動かし、2本、そして、もう、1本と指を増やして行く。
その度に、蛇骨は白雉のように口を開け、絶え間ない喘ぎ声を漏らす。
「ああ、ん、もう、許してくれよ、煉骨の兄貴....。もう、イかせてくれよ..。」
懇願する瞳に目をやると、煉骨は自分のそそり立つ物を蛇骨の前に差し出す。
「舐めてみろよ」
もう、何も考えられない。入れられた指に翻弄され、言われるがままに、煉骨のものを喰わえ込む。
「慣れてんじゃないのか?もっと舌を使え。」
束ねた髪を後ろ手に引っ張られ、目をつむる事で陵辱に耐える。
喉の奥まで押し込められるそれに、むせびながらも、懸命に舌を動かす。
煉骨の荒い息と、それを舐める自分の、びちゃびちゃという唾液の音だけしか、聞こえない。
今は、快楽に身を任せる事しか蛇骨には出来なくなっていた。
「くっ....。」煉骨が息を漏らす。
どろり、とした液体が口の中に放たれる。
「ゲホッ。ゲホッ。」
蛇骨はうつろな目をして煉骨を見上げる。
「もう、放してくれよ....。気がすんだろ...。」
煉骨は、縛り上げていた縄をほどいてやる。
しかし、そこにはくっきりと痕が残され、手首は鬱血し、指先には血の気が無い。
蛇骨はその手を抱えるようにして湯船に沈み込んだ。
すると、煉骨はそんな蛇骨の手首をつかむと傷跡を舐め始める。相手の目を見据えて、狂おしい程の所有欲に駆られている。
こいつを、俺の物にしてしまいたい。
薄くてざらざらとした煉骨の舌の感触に、蛇骨の顔が物欲しそうに歪んでいく。
湯船の外に出ると、冷たい空気が熱を奪う。
しかし、蛇骨の熱く火照った体は、一度も放たれていないために、冷気に触れても冷める事はない。
「欲しいんだろう。お前はそんな男だからな。」
煉骨は、恨めしそうに見上げる蛇骨の足を大きく開かせると、再びそそり立った自分の物を押し込み、体を激しく上下させた。
まるで憎んでいるかのように、激しく犯していく。
「んんっ。あっ....。いい....。」
ためらう事無く、感じ入る蛇骨に見入りながら、煉骨も次第に高まって行く。
蛇骨の蕊はびくびくとふるえながら快楽に酔い、絶頂を迎えた。
いつも振り向きはしなかった。
仲間を信じるという行為に命を懸けるのも、人を殺す事も、快楽を求めての事だった。
裏切りによって命を落とす事も、そんな自分にはお似合いだと感じていた。
だが、人の心ほど、手に入れたいと欲するのは何故だろう...。全てをあきらめる覚悟はこの戦国の世では、当たり前の筈なのに、
強い、邪な心ばかりが自分の中で育っていく...。
あんたの手にかかりてえ。快楽の中でそう、思った...。